MIsaO Lab.

Moi dix Moisとかのライブレポがあったりなかったりします。

PAX VESANIA

PAX VESANIA

PAX VESANIA

「metanoia(2007年発売)」以来のオリジナルアルバムとのこと。
まぁそれ前後にもベストアルバムが3枚(Gothic Lolita3部作)発売される等音源が全然出てなかったわけではないのですが。


1998年に結成された妖精帝國は長らくゆい様(Vo)と橘堯葉さん(Gt,Key)という2人組のユニットでしたが
2010年あたりにNanamiさん(Ba)とRelu(Dr)が加わり、
そしてこのアルバムからはReluさんに代わってGightさんが加入、そしてリードギター紫煉さんが加入してツインギターの5人編成になりました。
音楽的にも、上記「metanoia」や最初のベストアルバム「Gothic Lolita Propaganda」の頃は少し顔を覗かせるくらいだったメタル要素が年を追うごとに増していき、
このアルバムでは完全に前面に出てきたなぁという印象です(いや、もっと前からかな)が
妖精帝國を知った当時からその"少し顔を覗かせる"曲(ex.孤高の創世)が好きだったのでこの路線への変化は私的には有りです。


以下、一部曲別雑記。

  • M2:Astral Dogma

メインコンポーザー堯葉さん作曲。
このアルバム、CDの盤面やゆい様の衣装がスチームパンク風なのですがそれらを象徴するような曲で、PVも作られています
(もちろんこちらのメインイメージもスチームパンク)。
中東風なコーラスもちょっと有り。
サビで転調するのとそこのチェンバロの旋律が良いです。そこが堪能できる3:52〜は特に好み。

  • M3:Solitude

新メンバー紫煉さん作曲。早速リードギターが粗ぶっています。
ゆい様が「Solitudeには『孤高』『一人を楽しんでいる』という意味もある」と語っていたように
(私的メモ:http://ct.cocolog-nifty.com/magis/2005/10/post_d8a6.html
この曲には悲壮感は無く、逆にサビではベースが躍動しているなど解放感に溢れている感じです。
好きな部分はBメロ?(0:33〜「過去からの私が〜」のあたり)。ここもチェンバロが好き。

ベースNanamiさん作曲。
イントロが好きなんですが、自分の中でPride of Mindの「Salome(ライブバージョンの方)」と混ざってしまうのが目下の悩みです。

  • M6:月鏡反魂(つきかがみはんこん)シネラリウム

こちらもベースNanamiさん作曲。ここまで熱い曲が続いてきましたが一気にダウナー系に。
反魂というからには黒魔術系少女(色素は薄い)が魔法陣を組んで想い人を蘇生してそうですが、歌詞を読むと逆に後を追っているようです。
どっちにしろ病んでいることに代わりは無いと思いますが、だがそこがいい。
Bメロ〜サビが好きです。歌い方もゾクっとしました。

  • M8:missing

紫煉さん作曲。
アクションゲームでいうと後半に差し掛かった辺り、空中庭園のような空を背景にしたステージのBGMで使われているイメージです(偏見)。
5分越えという壮大な曲で、最初に聞いた時「(長くて嫌という意味ではなく)まだあるん?」と
タイマーを二度見しました(実はAstral Dogmaの方が長いですけど)。
この曲がアルバムの最後でもいいと思いました。
童話風の歌詞が良いです。あとチェンバロのキラキラ感。

  • M13:機械

筋肉少女帯のカバー。
ですが堯葉さんがアレンジを手掛けたためか、妖精帝國の曲にあっても違和感ない印象です。オーケンさんの歌詞も流石だなぁと。
またいつもとゆい様の歌い方が違います。
カバー曲ということで、妖精帝國皇女(あ、今は終身独裁官ですか)ではなく一ボーカリストとして挑まれたのでしょうか。

  • まとめ

・これまで全ての楽曲を担当してきた堯葉さんに加え、他のメンバーの作曲も採用されるなど新たな風が吹き、
ゆい様が今までにない低音域を歌っている(Herrscher)、堯葉さんも妖精帝國には無かったタイプの楽曲を作られた(Siege oder sterben)
といった点から、結成15年目にしてまた一段と攻めてきたなーと。
正直ここ1〜2年のシングル及びカップリング曲はマンネリ感が強かったんですが、このアルバムでグイッと引き戻されました。
・特に好きな曲は「Astral Dogma」「月鏡反魂シネラリウム」。
チェンバロ最高!!
紫煉さんの出で立ちがスギヤンに似ていてちょっとドキッとしました(えっ)


P.S.
アルバムを一通り聞き終えた後にPV集Chronik Iも購入しました。

Chronik I [Blu-ray]

Chronik I [Blu-ray]

付属のブックレットに収録されている座談会やセルフライナーノーツが充実していて良かったです。
座談会では各メンバーの加入の経緯等が語られています。
2001年の写真が載っていたことにも驚きでしたが、そうそう、最初に自分が妖精帝國の文字を見かけた時のゆい様は白かったなと…。
>まだ号数が一桁の頃のGothic Lolita Bible(2004〜5年頃かな)